たいらんの日本語教師ぐるぐるサバイバル

日本語教師として生き残りたい「たいらん」が頭の中のぐるぐるを吐き出すブログ

「思い出す」と「思い起こす」の違いは何だろう?

ども、たいらんです。

本日は「思い出す」と「思い起こす」の違いを考えてみたいと思います。

 

まず、「思い出す」の意味は、こちらで詳しく解説されています。

dictionary.goo.ne.jp

 

「思い返す」と比較しているのですが、共通する意味は、

以前にあったことを心によみがえらせる。(同上) 

で、これは「思い起こす」も同様だと思われます。

 

「思い出す」が、

自分から心によみがえらせようとしたのではなく、ふと心に浮かぶ場合もある(同上)

のに対して、「思い起こす」は自分で意識して記憶をよみがえらせる場合のみ使えます。

 

次の例では、「思い出す」と「思い起こす」のどちらがよいでしょうか。 

 

  • 例01:{思い出せば・思い起こせば}、30年前初めて日本へ来た日も大雨だった。
  • 例02:きのう友達に紹介された人の名前をやっと{思い出した・思い起こした}。

 

いかがでしょうか。

例01は「思い起こせば」、例02は「思い出した」を使った方がしっくりきませんか?

 

例01では、心が長い時間を遡って、日本へ来た日のことを思い浮かべている感じがします。

一方、例02では、よみがえらせる対象が「人の名前」という単純な記号だからか、「思い起こす」と言うと、妙に大げさな印象があります。

 

こう考えていくと、「思い起こす」は、

「まとまった時間を遡って、物事を始まりから心によみがえらせる」

といった意味だと言えそうです。

 

また、「起こす」という言葉は「目を覚まさせる」や「新しく物事を始める」といった意味を持っていますね。

「思い起こす」には「掘り起こす」という言葉と、共通する語感があると感じます。

心の中に鍬を入れて、記憶を立体的に立ち上らせる感じ

なんだか味わい深いものがある言葉だと思います。

 

それでは、またじかいんこ!